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食育とは・・・6.5

20130108.1

写真は我が家の愛猫「銀杏」です。

今回は私たちが何気に食べている食事について考えてみたいと思います。

今は小学校でも「食育」といった授業があるようです。

そこで、食育とは何か・・・まずは、基本中の基本の食育を考えてみたいと思います。

 

山の麓に、とっても優しいお爺さんが住んでいました。

ある日、薪を拾いに出かけたとき、猟師に撃たれ、足に傷をおった兎を見つけました。

お爺さんは兎を連れて帰り、甲斐甲斐しく傷の手当てをしました。

そして、すっかり元気を取り戻した兎との、楽しい生活が始まりました。

小さな畑で作った穀物を、兎とともに分け合い、食べました。

干ばつで、ほんの少ししか穀物を収穫することが出来ない年がやって来ました。

一面雪に閉ざされた冬のある日、とうとう保存してあった穀物が底を尽きました。

最後の晩餐をお爺さんと兎は、楽しそうに頂きました。

次の日はもう食べるものがありません。

お爺さんと兎さんは、黙って焚火を見つめあっていました。

すると兎が、ぴょんと跳ね

「お爺さん、今まで本当によくしてくれました」

「私はお爺さんに今まで、何もしてあげることが出来なかったのが心残りです、せめて・・・・」

そう言うと、兎は焚火の中に幸せそうな顔で飛び込みました。

 

お爺さんは、どんな気持ちで兎を頂いたのでしょうか?
物を食べるということは、命を頂くということです。
お爺さんの気持ちになって、今日これからの食事の頂き方を考えてみてください。
これが「食育」の原点なのです。

 

 

 

 

湿邪って・・・6.4

そろそろ東海地方も梅雨入りしそうですね(梅雨入りしました。)
こんな時期は心も体も何だか気分良くありません。
そうです、「気」が流れなくなる時期なのです。

漢方の世界では病邪を六淫に分類して考えます。
「風」「寒」「暑」「湿」「燥」「火」です。
この時期の邪は「湿邪」ですね。

「脾は湿を悪み、燥を好む」と言われるように消化する場所(脾)は湿気を嫌います。
脾は人間が生きていく上で必要なエネルギーを製造する場所なのです。
この時期、軟便になったり食欲が落ちたり、疲れやすくなったりするのは仕方ありません。

そんな時だからこそ、温かい飲み物をとりましょう。
(冷蔵庫でキンキンに冷えたビールはだめです、と自分に言い聞かしていますが・・・)
体の湿を取り去る食材を大いに利用しましょう。
(きゅうりやナスなどは体の水分を取り去ってくれます)

そしてなんといっても「気」の流れをよくすることはとても大切なことなのです。
そのためには「気持ち」が大切。そうです「気の持ちよう」なのです。

ちょっと素敵な傘を買って、ちょっと素敵な雨靴を買って、ちょっと素敵な雨ガッパを買って・・・
蛍を見に出かけましょう。紫陽花を見に出かけましょう。

紫陽花

昔からこの時期に蒼朮を焚くといった習慣があります。
蒼朮はオケラの事出で、オケラを燻して室内の湿気を取り去る習慣があるのです。
もちろん漢方薬にも蒼朮を使ったものがあります。
特にこの時期、胃腸の働きが弱って消化不良を起こしている人に使う「平胃散」にも蒼朮が入っています。

そしてなんといってもこの時期大切なのは「気」の巡リ。
特に牛黄や麝香など動物生薬には「気」と「湿」を一気に取り去る凄い力があるのです。

 

 

 

 

 

 

名古屋もそろそろ梅雨入りか・・・6.3

名古屋城

夜8時に仕事を終え、天気の良い日は名古屋城にジョギングに出かけます。
木曜日は瑞穂陸上競技場でランニングスクールのスピード練習。
気温も上がってきて、疲れも溜まりがちです。
そんな折の出来事です・・・。

5月末から6月の頭にかけて、この時期とは思えない暑さがやってきたようです。
「やってきたようです」とは、知らなかったような言い方!
はい、ちょうどそのころ海外に出かけていたので・・・。
というのは真っ赤なウソで、実は風邪を引いて寝込んでいました。
ゾミゾミと変な寒さが体を襲い、皮膚皮毛を触るだけで不快感100%

このところ、自分のキャパを超えた運動をしていて、おまけにビールの飲みすぎ。
エネルギー不足プラス、胃の冷え(水の停滞)といった感じでしょうか。

汗を思いっきり掻いた状態で水分補給をするのは正しいのですが
水分不足をビールで行ったのが、そもそもの失敗。

冷たいビールがたくさんの暖かいお小水を体から奪っていきました。
本来、湯気の出るほどの小水のエネルギーは体を維持するためのエネルギーなのですから。

胃の水を裁きながら、寒気や頭痛を改善する小青竜湯に咳のお薬、麻杏甘石湯を合わせて何とか改善。

昨日の夜はちょっと体がだるかったけれど、牛黄を飲んで、15キロのジョギング。

その後、温かいササヘルス⇒ビール⇒温かいササヘルス・・・という具合に。
本来ならビールはやめるべきですけどね。

とにかくこれからの時期、胃には常に温かいものを落とし込んでやったほうがよさそうです。

今週の中ごろから名古屋も梅雨に入りそうです。
体調を崩さないよう、元気にお過ごしください。
今日から、私も完全復活です。
久しぶりに20キロ以上のジョギングをしてみようと思っています。
勿論そのあとは、ビール無しで温かいササヘルスのお茶を飲んで寝ます。

 

 

 

治療とは?・・・5.30

名古屋では朝から真夏のような太陽が照りつけています。

庭ではシモツケソウが咲き出しました。

水分補給をしっかりして、かつ体を冷やさないよう気を付けてお過ごしください。

シモツケソウ

 

「治癒」という言葉があることはご存知だと思います。

 

「治」とは・・・トリートメントの事

「癒」とは・・・ヒーリングの事

 

積極的に病邪に戦いを挑んでいくことを「治」

心と体を癒してあげることを「癒」

 

ドクターのお仕事が「治」

私の薬局のお仕事が「癒」

 

自分らしい人生を送るために「選択」しなければいけないことがあります。

癌などのように、生死にかかわる疾患の場合は特に顕著に感じます。

 

しなくてもよい治療をすること、しても仕方のない治療をすること。

自分でしっかり選択できないと自分らしい人生を完結できなくなってしまいます。

体が病んでも心は病んでいない状態でなければ正しい選択はできません。

 

癒しとは心が楽しくなる方向にもっていく方法です。

「病は気から」といいます。

気とは形の無いものだけど、必ずあるものです。

だから感じるしかありません。

 

心が楽しくなる方法は世の中に一つしかありません。

沢山の人を幸せにすれば、自分の心が楽しくなるのです。

和顔愛語だけでもいいのです。道を譲るだけでもいいのです。

人の為になる事が、自分の心の糧になるのです。

 

 

 

高プロラクチン・・・5.28

当帰

不妊症を始め様々な婦人科疾患になくてはならない・・・当帰です。
本来は根を使うのですが、葉っぱからも甘い当帰の香りがします。
天婦羅にして食べると、体がポカポカと温かくなります。
高プロラクチン血症にも使われる当帰芍薬散も、もちろん当帰が入っています。

さて、今回のホルモンのお話はプロラクチンです。

プロラクチンも例外ではなく脳下垂体から出ています。

どんな時に高くなるかというと、授乳中です。赤ちゃんがオッパイを吸った時に、母性本能のスイッチが入って出てくるのです。
その時の生理活性に、排卵抑制があります。
育児の最中にもう一人赤ちゃんがお腹に宿ったら大変ですから・・・。
勿論卒乳すれば、普通の状態に戻り排卵が始まるのです。
そして次の妊娠へとスタートを切るのです。

授乳中以外で,この値が高い事を(15ng/ml)高プロラクチン血症といいます。

すると、卵巣への抑制がかかり排卵障害を起こし不妊の原因になる事があるのです。

原因は様々あります。

①    プロラクチノーマ(良性腫瘍)

②    視床下部の機能不全

③    薬剤性(βブロッカーや降圧剤、抗鬱剤)

④    甲状腺機能低下

⑤    授乳期間の長期化(二人目不妊)

⑥    原因不明

 

原因不明な場合は、どう考えればよいのでしょうか。

乳頭は肝経・乳房は胃経と考えます。

肝経は気血の出入りをコントロールします。

一番左右される感情がイライラ(肝鬱)なのです。

胃に落ちる食べ物で糖質が多いとインシュリンの分泌が盛んになります。

するとアドレナリンが作られ最終的に交感神経優位のイライラ感情が出てくるのです。

 

イライラをコントロールする心の生活習慣と、交感神経優位にならない食生活が、高プロラクチン血症だけに限らず妊娠しやすい体つくりにはとても大切な事なのです。

 

 

 

 

名古屋で伝統生薬勉強会・・・5.26

勉強会

伝統生薬勉強会なるものに参加してきました。

主催は救心製薬。

動悸、息切れ、気つけに救心…その救心製薬です。

とにかく動物生薬が得意な会社です。

動物生薬の品質はピンからキリまであります。

そんな時に頼りになるメーカが救心製薬なのです。

 

一般によく使う動物生薬は

牛黄(牛の胆石で1000頭に1頭)

麝香(ジャコウジカの雄の麝香嚢、または分泌物)

鹿茸(雄鹿のまだ角化していない幼角)

羚羊角(牛科サイガレイヨウの角)です。

 

病気、元気、やる気、そして病は気から・・・気とは存在するが形の無いもの

人間の体の血や津液(水)を動かすのも気のお仕事。

気の概念無くして漢方は考えられません。

そんな時に早く確実に効くのが動物生薬なのです。

ただ難点はとにかく値段が高い事。

そしてワシントン条約にひっかかるため、在庫が限られている事です。

これらの生薬を使い、起死回生する人も珍しくありません。

 

限りある資源を必要な人に、必要な量を使う為にどうしても勉強が必要なのです。

早速、頭に血が上ってカッカしている人に羚羊角を使ってみたら
30分程で、イライラが収まり頭がすっきりしてきました。
本当にシャープな効き目をあらわす動物生薬ですね。

 

 

暑熱順化・・・5.24

4月から続けているランニングスクール。
毎回、しっかり汗をかいています。
写真はトレーニング場所の瑞穂北陸上競技場です。

競技場

そこで、今回のお話は聞きなれない・・・暑熱順化。

本来、梅雨のジトジトした暑さに体が順化していって夏を迎えていたのですが
近頃はエアコンのスイッチがON!

積極的に順化し、体を夏用に切り替えていいきましょう。

 

人間は心臓に戻ってくる血液量を絶えずモニターしており、少なくなった場合は瞬時に皮膚血管を収縮させ、発汗量を抑えます。すると皮膚表面からの熱放射が減少して熱中症になるというわけです。

 

暑熱順化すると、サラサラの汗をかくことができます。

暑熱順化すると、汗をかくタイミングが早くなります。

暑熱順化すると、体の水分量、血液量が増加します

 

つまり、順化すると汗腺が強くなりナトリウムが再吸収されるのです。
その為体液バランスが崩れにくくなるのです。

 

暑熱馴化は、暑い環境での運動を1週間から10日間続けると完成します。

 

高温下で1時間程度の軽い運動からはじめ、徐々に強度や時間を増やしていきます

4~5日でほぼ暑さに馴れたからだができます。

10日ほど持続できればほぼ完了。

あとは適度に運動し、汗を出し、きっちり水分補給をするだけでOKです。

せっかく馴化しても、エアコンの中にばかりいると効果は薄れてくるので注意が必要です。

 

早く夏よ来い!・・・私は暑熱順化は完璧です。

 

 

野菜・果物大丈夫!5.23

「野菜ジュースは身体に悪い!」こんな記事をよく目にします。

野菜や果物はビタミンやミネラルをたくさん含んでいて体に良いイメージがありますよね。

実際どうなのでしょうか?

 

ブロイラーをはじめ牛肉、豚肉、養殖魚などは抗生物質づけのイメージがありますが

水耕栽培の野菜だって負けていませんよ。

早く成長させ、沢山収穫するため、植物ホルモンや、大量の窒素肥料を使います。

 

スターバックスのストロベリー&クリームフラペチーノやストロベリーバナナスムージー。
そしてファイブミニのあの赤色は何か知っていますか?

天然着色料、コチニール。

実は、昆虫を磨り潰して作ったもの。

コチニール

アレルギーの報告があるにも関わらず黙って使われていました。

 

健康に良いと思っている野菜や果物が、実は…ということが多いものです。

やっはり、大量生産される野菜ジュースや健康ドリンクにも注意が必要なのですね。

 

私は顔が見える野菜や果物をと心がけています。

イチゴジャム

ということで、昨日はストロベリーのジャム作り。

レモンとイチゴ(アキヒメ)2パック、グラニュー糖(あまり体には良いとは思いませんが)だけで作りました。
市販されているジャムよりも安全だと思います。

FSHって何?・・・5.21

今回はFSH(卵胞刺激ホルモン)のお話です。FSH(卵胞刺激ホルモン)は、脳下垂体から分泌される性腺刺激ホルモンの一つです。

 

女性の場合は、卵胞の発育を促します。

FSHは女性特有のホルモンかと思いきや男性にも関係するホルモンなのです。

男性の場合は精巣に働きかけ、精子の生成の促進に関与します。

 

FSH検査値が基準値よりも高い場合。

男性の場合は精巣機能低下症の可能性が考えられます。

女性の場合は、更年期・閉経の近い事が考えられます。(LHの数値も関与しますが)

FSH検査値が基準値よりも低い場合。

性ホルモン分泌の過剰、下垂体機能低下症などの可能性が考えられます。

 

FSHは高くても、低くてもよくないのです。

やはりホルモンはバランスが大切ですね。

ホルモンの話になると必ず出てくる、視床下部⇒能下垂体⇒内分泌ホルモン
これはストレスや感情がもろに作用してしまうことが考えられます。
あまり、数値にとらわれないことも大切なことですね。
数値がストレスの元凶になっていては本末転倒ですから。ユキノシタ

 

 

 

 

 

 

 

漢方のかわい薬局のある中村区は朝から雨。

庭に咲きだしたユキノシタの花が綺麗です。

エストロゲン・・・5.20

女性のホルモンと言いましても色々あります。

今回はエストロゲン(女性ホルモン)のお話です。

 

エストロゲンは、卵胞ホルモンとも呼ばれ、生理や妊娠に深く関与するホルモンです。

女性が女性らしくあるためのホルモンといっても過言ではありません。

排卵、妊娠のためにはなくてはならないホルモンなのです。

膣頸管粘液(おりもの)を増やし精子を通りやすくするのもエストロゲンの働きです。

着床しやすいように子宮粘膜をふかふかにするのもエストロゲンの働きです。

 

それだけでなく、血流を良くする。悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす。自律神経を安定させる。など健康維持にも効果を発揮します。

 

ならば、体の中にエストロゲンをどんどん入れてあげればいいのか?

というと、そうとも言い切れません。

エストロゲンは乳房をふくよかにもしますが、乳がんを誘発することもあるのです。

これは合成されたエストロゲンだけでなく、大豆やザクロなどのエストロゲン様作用のあるものでも
同じことが言えます。

 

必要な時に必要なだけ分泌されるのがよいのが、ホルモンなのです。

 

ホルモンは全てフィードバック作用を持っています。

フィードバック作用とは、少なければ出せと命令し、多ければ止めろと命令する作用です。

これらの働きをするのが、脳下垂体の視床下部⇒内分泌ホルモンなのです。

余談ですが・・・
これらの働きを漢方では腎と考えます。
そして、腎を強くするお薬の一つに地黄があります。
八味地黄丸や四物湯など不妊に良く使う漢方薬にも含まれています。
先週、岐阜薬科大学の薬草園に行ったときに咲いていた地黄の花です。

地黄の花

 

つまりストレスを受け流せるしっかりした自律神経と、子宮や卵巣が女性ホルモンの感受性を正しく認識できることが大切なのです。