朝夕はすっかり涼しくなり秋を感じるようになってきました。
萩の花も咲き始めました。
食欲の秋、スポーツの秋。
何か良いことが起きそうな秋。
小さな幸せが舞い降りるといいですね。
医療もファッションも育児も流行というものがあります。
昔と今では育て方、考え方が変わってくるのは当然かもしれません。
今は母乳の育児が推奨されているようです。
そこで母乳のお話です。
母乳は二つのホルモンの関与をうけています。
一つはプロラクチン。このホルモンは母乳を作ります。
もう一つがオキシトシン。このホルモンは母乳を絞り出します。
赤ちゃんがお乳を吸う行為や赤ちゃんとのスキンシップによってオキシトシンは活発になります。
簡単に言えば母性本能を呼び覚ますホルモンといったところでしょうか。
母乳は最初の15分で約9割が出ます。
残りの1割の時間が赤ちゃんとのスキンシップの時間でもあるのです。
このような時間がさらに母性を刺激し母乳育児を継続できるきっかけになるのです。
実際、母乳の利点をあげてみましょう。
第一に母乳の中に多量にあるDHA(ドコサヘキサエン酸)やAA(アラキドン酸)は中枢神経や視神経の発達を助けます。また生後脳神経のシナプスが急速に発達する時には母乳に入っているコレステロールが役立つのです。
第二に母乳に入っているムチンが腸の粘膜をガードしアレルギーを抑えます。
第三に赤ちゃんは昼夜を問わず飲み続けるため、人工栄養に比べて母乳はとても楽なのです。
とういことで母乳育児が推奨されているわけです。
でも、母乳の出が悪くって・・・そんな方には漢方薬をおすすめしています。
昔からよく使われているのが蒲公英根(タンポポの根)。
葛根湯や芎帰調血飲に蒲公英根を合わせて飲んで頂くと不思議に母乳の出が良くなるようです。
また乳腺炎や乳腺が細くて出にくい時には牛蒡子を飲んで頂くこともあります。
肩井(ケンセイ)というツボの刺激も効果があります。(首の付け根と、肩先とのちょうど真ん中)
母乳はお母さんから頂く栄養ですので授乳期間中は今まで以上に質の良い食事を心がけていただきたいものです。そしてのんびりと授乳の時間を楽しんで頂きたいものですね。