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漢方薬を日常に生かす!(8月22日)

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立秋をすぎてもまだまだ暑い日が続いています。
とにかく今年の夏は暑かった。熱かった。
夏バテ症状を訴える人も多くなってくるのでしょうか。
そろそろ温かい飲み物、温かい食べ物を摂るようにし、涼しい時間帯を見つけて少し体を動かし心地よい疲労を感じ質の良い睡眠をとる。そんなパターンがエネルギーをチャージする一番の方法。

実は私も朝起きると顔が浮腫み節々がぎくしゃくしているのです。
胃は「ここにあるぞ!」と新在感をしめしています。
夜2時間ほどジョギングをしているのですが、その後がいけない。
ポカリスエットのゲロルシュタイナー割り。その後ビール。(ポテチ一袋)
お客さんには口を酸っぱくするように「冷たいものはいけません」と言っているのに・・・。
でもこれは自分の体を実験台にして漢方の実習をするための手段なのです。

こんな時には胃の消化を助け、身体の余分な水を捌く六君子湯が効くのです。

体調を知り、体質を知るのは勿論のこと、生活習慣や食事環境を含めて全てを把握することからその人に的確な漢方を探すのが漢方の極意。漢方薬選びはその人の自伝を読むようなものです。

 

妊娠・出産その後にあるもの・・・

「赤ちゃんが欲しい!」
その願いが叶った後にもれなく付いてくるのが「子育て」
我が家も只今子育て真っ只中!(三歳・五歳)
そんな折、一冊の本に出会いました・・・「ルポ生ませない社会」小林美希・河出書房新書

読んでいるとかなり滅入る内容です。

核家族化したことによる「子育て」が「孤育て」になっている事。
周産期医療現場やNICUの過酷な現状。
妊娠・出産による女性の離職。
女性の晩婚化による高齢出産の問題。

子育てするには本当に大変な時代です。
保育園の待機児童の問題を見ても改善されていません。
文部科学省管轄の幼稚園、厚生労働省管轄の保育園も縦割り行政ではなかなか良い知恵は得られません。政治は票で動きます。高齢者の補助が若い女性への補助より手厚いのは仕方ありません。そんな中で次の世代を担う人材(赤ちゃん)を正しく育てることをもっと真剣に考えないといけないと実感させられます。

「お父さんが育児をどう手伝う」とか「イクメン」とか次元の低い話題が出てくることが問題なのです。
「私達の子供」であり「日本の子供」であり「地球の子供」なのです。
折角の財産である「子供」をどう育てるか、を本当に考える時が来ています。
愛情を注がれて育った子供はきっと愛情がこもった職場を築きます。
愛情を注がれて育った子供はきっと愛情がこもった政治を行います。
愛情を注がれて育った子供はきっと隣人に愛情を注ぎます。

もう一度今の現状を見て考え直す意味でもいろいろな人に読んでいただきたい一冊です。

 

漢方薬に願いを込めて!

20130803-131842.jpg名古屋の下町の住宅街の中でのんびり漢方薬局を営んでいます。

漢方はほんとに奥が深い・・・。
知識を得るために色々な古典書物(傷寒論や金匱要略)をはじめ様々な本を読んで勉強をします。当然基礎を築く上で重要なことは言うまでもありません。
ただその他にもっと重要な事が「感じる!」といった部分。

お客さんとお話しをしながら、症状や体質を細かく聞きだしそれに合わせて処方を決めていくわけで、漢方薬がオーダーメードのお薬だというのはそこから来ている。
さて問診をしてこんな漢方で行こう・・・と調剤室に入った瞬間に「急きょ処方変更」となる事が度々ある。
冴えているときにはお客さんがお店に入ってきたときに処方が浮かぶ事さえある。
「なんで?」と言われても答えれないが「感じる!」のである。
「当てずっぽう」と言われかねないが「当てずっぽう」とは明らかに違う。
そんな感じで出した漢方は非常な高確率でよく効く。
その時はお客さんと自分の意識が何かでつながっていることを感じる。

それとは逆にどんだけお話しをしても処方することに迷ってしまうことがある。
「とりあえずこんな感じのお薬ですからこれから始めましょう」と言いつつ出すのだがなかなか効かない。
そんな時は無理に出さず「改めて仕切りなおしたほうがいいのかもしれない」

そして何より大切なことが「心をこめて作る」ということ。
漢方の処方は何種類もの生薬を組み合わせて作るのだが・・・「こう効いて欲しい」と一つ一つの生薬に語りながらお作りしている漢方薬はやっぱりよく効くのです。